記事の詳細

国籍法は「日本国民たる要件」を定めている法律です。

国籍法では日本国民たる要件として、3つのケースを挙げています。

1つ目は、「出生による国籍の取得」です。
 子が次の場合には、日本国民となります。
 ・出生の時に父又は母が日本国民であるとき。
 ・出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき。
 ・日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。

2つ目は、「準正(じゅんせい)による国籍の取得」です。
父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であった者は除かれます)は、
認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であった場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、
又はその死亡の時に日本国民であったときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得できます。

なお、準正とは、非嫡出子(婚姻関係にない男女から生まれた子)が嫡出子(婚姻関係にある男女から生まれた子)の身分を取
得することをいいます。

3つ目は、「帰化」です。
日本国民でない者は、帰化によって、日本の国籍を取得できます。

さて、2つ目の「準正(じゅんせい)による国籍の取得」ですが、
「父母の婚姻」+「認知」が要件となっています。
この「父母の婚姻」要件が2008年6月に最高裁判決で違憲とされました。

裁判要旨は、国籍法3条1項(上述2つ目)が、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に
父から認知された子につき、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した場合に限り
日本国籍の取得を認めていることにより国籍の取得に関する区別を生じさせていることは、
遅くとも平成17年当時において、憲法14条1項(平等原則)に違反するとしています。

この違憲判決を受けて国籍法の改正案が出されており、
子供の要件が「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子」から
「父又は母が認知した子」となり、「父母の婚姻」要件が無くなりますので、
認知がされれば、両親が結婚していなくても日本国籍を取得できるようになります。

なお、改正国籍法の施行日前に国籍の取得の届け出をした者は、施行日から3年以内に法務大臣に、
もう一度、届け出ることによって、日本の国籍を取得でき、
また、平成20年6月5日以後に国籍の取得の届け出をした者は、
もう一度届出をすることなく日本国籍を取得できます。

気になる施行日ですが、年内の施行が予想されています。

=======

「ビザ」についてのご相談や申請代行は、雫行政書士法務事務所へお気軽にご相談ください。

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ページ上部へ戻る