児童福祉施設最低基準
◇保育所へ戻る◇
戻るときは、「こちら」です。
児童福祉施設最低基準(最終改正:平成18年3月31日)(抜粋)
児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第四十五条 の規定に基き、児童福祉施設最低基準を次のように定める。


第一章 総則

(この省令の趣旨)
第一条 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号。以下「法」という。)第四十五条 の規定による児童福祉施設の設備及び運営についての最低基準(以下最低基準という。)は、この省令の定めるところによる。

(最低基準の目的)
第二条 最低基準は、児童福祉施設に入所している者が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員(児童福祉施設の長を含む。以下同じ。)の指導により、心身ともに健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものとする。

(最低基準の向上)
第三条 都道府県知事は、その管理に属する法第八条第二項に規定する都道府県児童福祉審議会(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)第十二条第一項の規定により同法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会(以下この項において「地方社会福祉審議会」という。)に児童福祉に関する事項を調査審議させる都道府県にあつては、地方社会福祉審議会)の意見を聴き、その監督に属する児童福祉施設に対し、最低基準を超えて、その設備及び運営を向上させるように勧告することができる。
2 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)にあつては、前項中「都道府県知事」とあるのは「指定都市の市長」と、「都道府県」とあるのは「指定都市」と読み替えるものとする。
3 地方自治法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)にあつては、第一項中「都道府県知事」とあるのは「都道府県知事(助産施設、母子生活支援施設又は保育所(以下「特定児童福祉施設」という。)については、中核市の市長とする。)」と、「都道府県」とあるのは「都道府県(特定児童福祉施設については、中核市)」と読み替えるものとする。
4 法第五十九条の四第一項の児童相談所設置市(以下「児童相談所設置市」という。)にあつては、第一項中「都道府県知事」とあるのは「児童相談所設置市の市長」と、「法第八条第二項に規定する都道府県児童福祉審議会(社会福祉法 (昭和二十六年法律第四十五号)第十二条第一項の規定により同法第七条第一項に規定する地方社会福祉審議会(以下この項において「地方社会福祉審議会」という。)に児童福祉に関する事務を調査審議させる都道府県にあつては、地方社会福祉審議会)」とあるのは「法第八条第三項に規定する児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関」と読み替えるものとする。
5 厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとする。

(最低基準と児童福祉施設)
第四条 児童福祉施設は、最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない。
2 最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている児童福祉施設においては、最低基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。

(児童福祉施設の構造設備の一般原則)
第五条 児童福祉施設には、法に定めるそれぞれの施設の目的を達成するために必要な設備を設けなければならない。
2 児童福祉施設の構造設備は、採光、換気等入所している者の保健衛生及びこれらの者に対する危害防止に十分な考慮を払つて設けられなければならない。

(児童福祉施設と非常災害)
第六条 児童福祉施設においては、軽便消火器等の消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備を設けるとともに、非常災害に対する具体的計画を立て、これに対する不断の注意と訓練をするように努めなければならない。
2 前項の訓練のうち、避難及び消火に対する訓練は、少なくとも毎月一回は、これを行わなければならない。

(児童福祉施設における職員の一般的要件)
第七条 児童福祉施設に入所している者の保護に従事する職員は、健全な心身を有し、児童福祉事業に熱意のある者であつて、できる限り児童福祉事業の理論及び実際について訓練を受けた者でなければならない。

(児童福祉施設の職員の知識及び技能の向上等)
第七条の二 児童福祉施設の職員は、法に定めるそれぞれの施設の目的を達成するために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならない。
2 児童福祉施設は、職員に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保しなければならない。

(他の社会福祉施設を併せて設置するときの設備及び職員の基準)
第八条 児童福祉施設は、他の社会福祉施設を併せて設置するときは、必要に応じ当該児童福祉施設の設備及び職員の一部を併せて設置する社会福祉施設の設備及び職員に兼ねることができる。ただし、入所している者の居室及び各施設に特有の設備並びに入所している者の保護に直接従事する職員については、この限りでない。

(入所した者を平等に取り扱う原則)
第九条 児童福祉施設においては、入所している者の国籍、信条、社会的身分又は入所に要する費用を負担するか否かによつて、差別的取扱いをしてはならない。

(虐待等の禁止)
第九条の二 児童福祉施設の職員は、入所中の児童に対し、児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)第二条 各号に掲げる行為その他当該児童の心身に有害な影響を与える行為をしてはならない。

(懲戒に係る権限の濫用禁止)
第九条の三 児童福祉施設の長は、入所中の児童に対し法第四十七条第一項本文の規定により親権を行う場合であつて懲戒するとき又は同条第二項の規定により懲戒に関しその児童の福祉のために必要な措置を採るときは、身体的苦痛を与え、人格を辱める等その権限を濫用してはならない。

(衛生管理等)
第十条 児童福祉施設に入所している者の使用する設備、食器等又は飲用に供する水については、衛生的な管理に努め、又は衛生上必要な措置を講じなければならない。
2 児童福祉施設は、当該児童福祉施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
3 児童福祉施設(助産施設、乳児院、保育所、児童厚生施設、肢体不自由児施設及び重症心身障害児施設を除く。)においては、一週間に二回以上、入所している者を入浴させ、又は清拭しなければならない。
4 児童福祉施設には、必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を適正に行わなければならない。

(食事)
第十一条 児童福祉施設において、入所している者に食事を提供するときは、その献立は、できる限り、変化に富み、入所している者の健全な発育に必要な栄養量を含有するものでなければならない。
2 食事は、前項の規定によるほか、食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所している者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
3 調理は、あらかじめ作成された献立に従つて行わなければならない。

(入所した者及び職員の健康診断)
第十二条 児童福祉施設(児童厚生施設及び児童家庭支援センターを除く。第五項を除き、以下この条において同じ。)の長は、入所した者に対し、入所時の健康診断、少なくとも一年に二回の定期健康診断及び臨時の健康診断を、学校保健法 (昭和三十三年法律第五十六号)に規定する健康診断に準じて行わなければならない。
2 児童福祉施設の長は、前項の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる健康診断が行われた場合であつて、当該健康診断がそれぞれ同表の下欄に掲げる健康診断の全部又は一部に相当すると認められるときは、同欄に掲げる健康診断の全部又は一部を行わないことができる。この場合において、児童福祉施設の長は、それぞれ同表の上欄に掲げる健康診断の結果を把握しなければならない。

児童相談所等における児童の入所前の健康診断 入所した児童に対する入所時の健康診断
入所した児童に対する入所時の健康診断 児童が通学する学校における健康診断定期の健康診断又は臨時の健康診断

3 児童福祉施設の長は、第一項の健康診断に当たつては、必要に応じ梅毒反応検査を行わなければならない。
4 第一項の健康診断をした医師は、その結果必要な事項を母子健康手帳又は入所した者の健康を記録する表に記入するとともに、必要に応じ入所の措置又は助産の実施、母子保護の実施若しくは保育の実施を解除又は停止する等必要な手続をとることを、児童福祉施設の長に勧告しなければならない。
5 児童福祉施設の職員の健康診断に当たつては、特に入所している者の食事を調理する者につき、綿密な注意を払わなければならない。

(児童福祉施設内部の規程)
第十三条 児童福祉施設においては、次に掲げる事項のうち必要な事項につき規程を設けなければならない。
一 入所する者の援助に関する事項
二 その他施設の管理についての重要事項

(児童福祉施設に備える帳簿)
第十四条 児童福祉施設には、職員、財産、収支及び入所している者の処遇の状況を明らかにする帳簿を整備しておかなければならない。

(秘密保持等)
第十四条の二 児童福祉施設の職員は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 児童福祉施設は、職員であつた者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう、必要な措置を講じなければならない。

(苦情への対応)
第十四条の三 児童福祉施設は、その行つた援助に関する入所している者又はその保護者等からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならない。
2 乳児院、児童養護施設、知的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設は、前項の必要な措置として、苦情の公正な解決を図るために、苦情の解決に当たつて当該児童福祉施設の職員以外の者を関与させなければならない。
3 児童福祉施設は、その行つた援助に関し、当該措置又は助産の実施、母子保護の実施若しくは保育の実施に係る都道府県又は市町村から指導又は助言を受けた場合は、当該指導又は助言に従つて必要な改善を行わなければならない。
4 児童福祉施設は、社会福祉法第八十三条 に規定する運営適正化委員会が行う同法第八十五条第一項の規定による調査にできる限り協力しなければならない。

     ===== 省 略 =====

第五章 保育所

(設備の基準)
第三十二条 保育所の設備の基準は、次のとおりとする。
一 乳児又は満二歳に満たない幼児を入所させる保育所には、乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所を設けること。
二 乳児室の面積は、乳児又は前号の幼児一人につき一・六五平方メートル以上であること。
三 ほふく室の面積は、乳児又は第一号の幼児一人につき三・三平方メートル以上であること。
四 乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。
五 満二歳以上の幼児を入所させる保育所には、保育室又は遊戯室、屋外遊戯場(保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含む。以下同じ。)、調理室及び便所を設けること。
六 保育室又は遊戯室の面積は、前号の幼児一人につき一・九八平方メートル以上、屋外遊戯場の面積は、前号の幼児一人につき三・三平方メートル以上であること。
七 保育室又は遊戯室には、保育に必要な用具を備えること。
八 乳児室、ほふく室、保育室又は遊戯室(以下「保育室等」という。)を二階に設ける建物は、次のイ、ロ及びヘの要件に、保育室等を三階以上に設ける建物は、次のロからチまでの要件に該当するものであること。
イ 建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第九号の二 に規定する耐火建築物又は同条第九号の三 に規定する準耐火建築物(同号 ロに該当するものを除く。)であること。
ロ 保育室等が設けられている次の表の上欄に掲げる階に応じ、同表の中欄に掲げる区分ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる施設又は設備が一以上設けられていること。

区分 施設又は設備
二階 常用 1 屋内階段
2 屋外階段
避難用 1 建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百二十三条第一項各号又は同条第三項各号に規定する構造の屋内階段(ただし、同条第一項の場合においては、当該階段の構造は、建築物の一階から二階までの部分に限り、屋内と階段室とは、バルコニー又は付室を通じて連絡することとし、かつ、同条第三項第二号、第三号及び第九号を満たすものとする。)
2 待避上有効なバルコニー
3 建築基準法第二条第七号の二に規定する準耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備
4 屋外階段
三階 常用 1 建築基準法施行令第百二十三条第一項各号又は同条第三項各号に規定する構造の屋内階段
2 屋外階段
避難用 1 建築基準法施行令第百二十三条第一項各号又は同条第三項各号に規定する構造の屋内階段(ただし、同条第一項の場合においては、当該階段の構造は、建築物の一階から三階までの部分に限り、屋内と階段室とは、バルコニー又は付室を通じて連絡することとし、かつ、同条第三項第二号、第三号及び第九号を満たすものとする。)
2 建築基準法第二条第七号に規定する耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備
3 屋外階段
四階以上 常用 1 建築基準法施行令第百二十三条第一項各号又は同条第三項各号に規定する構造の屋内階段
2 建築基準法施行令第百二十三条第二項各号に規定する構造の屋外階段
避難用  建築基準法施行令第百二十三条第二項各号に規定する構造の屋外階段

ハ ロに掲げる施設及び設備が避難上有効な位置に設けられ、かつ、保育室等の各部分からその一に至る歩行距離が三十メートル以下となるように設けられていること。
ニ 保育所の調理室(次に掲げる要件のいずれかに該当するものを除く。ニにおいて同じ。)以外の部分と保育所の調理室の部分が建築基準法第二条第七号 に規定する耐火構造の床若しくは壁又は建築基準法施行令第百十二条第一項に規定する特定防火設備で区画されていること。この場合において、換気、暖房又は冷房の設備の風道が、当該床若しくは壁を貫通する部分又はこれに近接する部分に防火上有効にダンパーが設けられていること。
(1) スプリンクラー設備その他これに類するもので自動式のものが設けられていること。
(2) 調理用器具の種類に応じて有効な自動消火装置が設けられ、かつ、当該調理室の外部への延焼を防止するために必要な措置が講じられていること。
ホ 保育所の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料でしていること。
ヘ 保育室等その他乳児又は幼児が出入し、又は通行する場所に、乳児又は幼児の転落事故を防止する設備が設けられていること。
ト 非常警報器具又は非常警報設備及び消防機関へ火災を通報する設備が設けられていること。
チ 保育所のカーテン、敷物、建具等で可燃性のものについて防炎処理が施されていること。

(職員)
第三十三条 保育所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない。ただし、調理業務の全部を委託する施設にあつては、調理員を置かないことができる。
2 保育士の数は、乳児おおむね三人につき一人以上、満一歳以上満三歳に満たない幼児おおむね六人につき一人以上、満三歳以上満四歳に満たない幼児おおむね二十人につき一人以上、満四歳以上の幼児おおむね三十人につき一人以上とする。ただし、保育所一につき二人を下ることはできない。

(保育時間)
第三十四条 保育所における保育時間は、一日につき八時間を原則とし、その地方における乳児又は幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、保育所の長がこれを定める。

(保育の内容)
第三十五条 保育所における保育の内容は、健康状態の観察、服装等の異常の有無についての検査、自由遊び及び昼寝のほか、第十二条第一項に規定する健康診断を含むものとする。

(保護者との連絡)
第三十六条 保育所の長は、常に入所している乳児又は幼児の保護者と密接な連絡をとり、保育の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。
◇保育所へ戻る◇
戻るときは、「こちら」です。
◇事務所のご案内◇
行政書士 海事代理士 お問い合わせ
Shizuku-jimusyo,All rights reserved. 無断転載はご遠慮ください。