【条文順 通関士講座】通関士試験前日まで、あと27週(仮)

1.今回の内容

「関税法 ⑥保税運送、収容・留置」をマスターする!

・条文の確認

[関税法]第63条(保税運送)

1 外国貨物(郵便物、特例輸出貨物及び政令で定めるその他の貨物を除く。)は、税関長に申告し、その承認を受けて、開港、税関空港、保税地域、税関官署及び他所蔵置許可場所相互間(特定区間)に限り、外国貨物のまま運送することができる。この場合において、税関長は、運送の状況その他の事情を勘案して取締り上支障がないと認めるときは、一定の期間の範囲内で税関長が指定する期間内に発送される外国貨物の運送について一括して承認することができる。

一定の期間………1年

2 税関長は、保税運送の承認をする場合において必要があると認めるときは、税関職員に貨物の検査をさせ、また、関税額に相当する担保を提供させることができる。
3 保税運送の運送に際しては、………運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。ただし………一括して承認を受けた場合においては、当該承認に係る期間を当該承認をした税関長が………定めるところにより区分して指定した期間ごとに、当該期間内に発送された外国貨物に係る運送目録について一括して確認を受けることができる。

・運送目録の記載事項
①運送に使用しようとする船舶、航空機又は車両の名称、登録記号又は種類
②運送しようとする貨物の運送先、記号、番号、品名及び数量
→税関長は、運送する距離が短いことその他の事情によりその記載の必要がないと認めるときは、その必要がないと認める事項の記載を省略させることができる・区分して指定した期間…1月

4 税関長は、保税運送の承認をする場合においては、相当と認められる運送の期間を指定しなければならない。この場合において、その指定後災害その他やむを得ない事由が生じたため必要があると認めるときは、税関長は、その指定した期間を延長することができる。
5 保税運送の承認を受けた外国貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は、確認を受けた運送目録を、直ちに到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。ただし、一括して承認を受けた場合においては、………承認をした税関長が指定した期間ごとに、当該期間内に到着した外国貨物に係る運送目録について一括して確認を受けることができる。
6 保税運送の承認を受けた者は、………確認を受けた運送目録をその承認をした税関長に提出しなければならない。

提出を要しない場合………
①保税運送の承認及び運送先に到着した外国貨物に係る運送目録の確認を行なう税関官署の長が同一である保税運送
②相互に多数の保税運送が行なわれる場所(同一の税関の管轄区域内の場所に限る。)として税関長が指定した特定の場所相互間において行なわれる保税運送
③輸出の許可を受けた貨物に係る保税運送

 

[関税法]第63条の2(保税運送の特例)

1 認定通関業者又は国際運送貨物取扱業者であって、あらかじめいずれかの税関長の承認を受けた者(特定保税運送者)が特定区間………において行う外国貨物の運送(特定保税運送)については、保税運送の承認を受けることを要しない。
2 特定保税運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。

運送目録の記載事項………
①運送に使用しようとする船舶、航空機又は車両の名称、登録記号又は種類
②運送しようとする貨物の運送先、記号、番号、品名、数量及び価格
→運送する距離が短いことその他の事情により税関長がその記載の必要がないと認めるときは、その必要がないと認める事項の記載を省略させることができる

3 特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着したときは、特定保税運送者は、確認を受けた運送目録を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その確認を受けなければならない。
4 特定保税運送者は、確認を受けた運送目録を確認をした税関の税関長に提出しなければならない。

提出を要しない場合………
①運送の際運送目録を提示する税関官署の長及び到着地の税関官署の長が同一である特定保税運送
②相互に多数の特定保税運送が行われる場所(同一の税関の管轄区域内の場所に限る。)として税関長が指定した特定の場所相互間において行われる特定保税運送
③輸出の許可を受けた貨物に係る特定保税運送

5 第2項の運送目録の提示その他前各項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

運送目録の提示又は運送目録の提出………
電子情報処理組織を使用して行わなければならない。

[関税法]第65条(運送の期間の経過による関税の徴収)

1 保税運送又は難破貨物等の運送の承認を受けて運送された外国貨物(輸出の許可を受けた貨物を除く。)がその指定された運送の期間内に運送先に到着しないときは、運送の承認を受けた者から、直ちにその関税を徴収する。ただし、当該貨物が災害その他やむを得ない事情により亡失した場合又はあらかじめ税関長の承認を受けて滅却された場合は、この限りでない。
2 特定保税運送に係る外国貨物が発送の日の翌日から起算して7日以内に運送先に到着しないときは、特定保税運送者から、直ちにその関税を徴収する。
3 税関長は、外国貨物が腐敗し、若しくは変質し、又は他の外国貨物を害するおそれがある等の事情によりこれを滅却することがやむを得ないと認めるときは、滅却の承認をしなければならない。
4 保税運送又は難破貨物等の運送の承認を受けて運送された外国貨物又は特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着する前に亡失した場合には、その運送の承認を受けた者又は特定保税運送者は、直ちにその旨を当該承認又は保税運送の特例の承認をした税関長に届け出なければならない。

 

[関税法]第80条(貨物の収容)

1 税関長は、保税地域の利用についてその障害を除き、又は関税の徴収を確保するため、次に掲げる貨物を収容することができる。この場合においては、国は、故意又は過失により損害を与えた場合を除くほか、その危険を負担しない。
①指定保税地域にある外国貨物で、当該指定保税地域に入れた日から1月を経過したもの
②保税蔵置場にある外国貨物で、蔵置期間を経過したもの
③保税工場にある外国貨物で、蔵置期間を経過したもの
③-2総合保税地域にある外国貨物で、蔵置期間を経過したもの
③-3保税蔵置場、保税工場又は総合保税地域にある外国貨物で、蔵入承認、を受けることなく、これらの規定に規定する期間を経過したもの
④指定保税地域又は保税蔵置場、保税工場、保税展示場若しくは総合保税地域とみなされた場所にある外国貨物で、これらの規定により税関長が指定する期間を経過したもの
⑤他所蔵置許可場所にある外国貨物で、税関長が指定した期間を経過したもの
⑥保税地域にある貨物のうち、保税地域から出すことを命ぜられたもので、税関長が指定した期間を経過したもの
⑦収容の解除に係る承認を受け、その際置かれていた場所にある貨物で、その承認の日から3日(その期間中に行政機関の休日がある場合においては、その行政機関の休日を除く。)を経過したもの(指定地外で保管された外国貨物で、輸出又は輸入の許可又は輸入許可前引取承認を受けたものを除く。)
2 貨物が生活力を有する動植物であるとき、腐敗し、若しくは変質したとき、腐敗若しくは変質の虞があるとき、又は他の外国貨物を害する虞があるときは、………期間は、短縮することができる。
3 税関長は、貨物を収容したときは、………直ちにその旨を公告しなければならない。この場合において、期間の短縮があるときは、税関長は、収容された貨物の知れている所有者、管理者その他の利害関係者にその旨を通知しなければならない。

 

[関税法]第83条(収容の解除)

1 収容された貨物についてその解除を受けようとする者は、………収容に要した費用及び収容課金を税関に納付して税関長の承認を受けなければならない。
2 税関長は、収容された貨物の引取が確実であると認められるときは、収容解除の承認をしなければならない。

 

[関税法]第84条(収容貨物の公売又は売却等)

1 収容された貨物が最初に収容された日から4月を経過してなお収容されているときは、税関長は、………公告した後当該貨物を公売に付することができる。この場合において、公売に付される貨物について期間の短縮があるときは、税関長は、当該貨物の知れている所有者、管理者その他の利害関係者にその旨を通知しなければならない。
2 収容された貨物が生活力を有する動植物であるとき、腐敗し、若しくは変質したとき、腐敗若しくは変質の虞があるとき、又は他の外国貨物を害する虞があるときは、………期間は、短縮することができる。
3 税関長は、収容された貨物が公売に付することができないものであるとき、又は公売に付された場合において買受人がないときは、………これを随意契約により売却することができる。
4 原産地を偽った表示等がされている貨物を公売に付し、又は随意契約により売却する場合においては、税関は、原産地について偽った表示又は誤認を生じさせる表示を消さなければならない。
5 税関長は、収容された貨物のうち人の生命若しくは財産を害する急迫した危険を生ずる虞があるもの又は腐敗、変質その他やむを得ない理由により著しく価値が減少したもので買受人がないものを廃棄することができる。
6 公売又は随意契約による売却は、裁判上の仮差押又は仮処分によってその執行を妨げられない。

 

2.確認問題

【第1問】オリジナル問題

次の記述は、保税運送に関するものであるが、(   )に入れるべき最も適切な語句を下の選択肢から選び、その番号をマークしなさい。
1 ( イ )又は国際運送貨物取扱業者であって、あらかじめいずれかの税関長の( ロ )を受けた者(特定保税運送者)が( ハ )において行う外国貨物の運送(以下「特定保税運送」という。)については、保税運送の( ロ )を受けることを要しない。
2 特定保税運送に際しては、( ニ )を税関に提示し、その( ホ )を受けなければならない。
3 特定保税運送に係る外国貨物が運送先に到着したときは、特定保税運送者は、上記2の( ホ )を受けた( ニ )を、遅滞なく到着地の税関に提示し、その( ホ )を受けなければならない。
4 特定保税運送者は、上記3の( ホ )を受けた( ニ )を上記2の( ホ )をした税関の税関長に提出しなければならない。

①運送基本契約書、②本邦内の運送業者、③承認、④許可、⑤特定区間、
⑥認定通関業者、⑦認定、⑧荷送人、⑨本邦内の全区間、⑩運送約款、
⑪運送目録、⑫認可、⑬運送引受書、⑭許諾、⑮確認

 

【第2問】50回 関税法第9問

次の記述は、貨物の収容に関するものであるが、その記述の正しいものはどれか。すべてを選び、その番号をマークしなさい。
1  収容された貨物についてその解除を受けようとする者は、収容に要した費用及び収容課金を税関に納付して税関長の承認を受けなければならない。
2  収容された貨物が最初に収容された日から 4 月を経過してなお収容されているときは、税関長は、公告した後当該貨物を公売に付することができる。
3  税関長は、保税地域にある外国貨物を収容しようとする場合には、当該貨物の所有者、管理者その他の利害関係者にあらかじめその旨を通知しなければならない。
4  税関長は、保税蔵置場の許可が失効したときは、当該保税蔵置場にある外国貨物について直ちに収容し、当該許可が失効した旨の公告とともに収容した旨について併せて公告しなければならない。
5  税関長は、指定保税地域にある外国貨物が腐敗又は変質のおそれがあるときは、当該外国貨物を当該指定保税地域に入れた日から 1 月を経過する前であっても収容することができる。

 

【第3問】53回 関税法第22問

次の記述は、保税運送に関するものであるが、その記述の誤っているものはどれか。一つを選び、その番号をマークしなさい。なお、誤っている記述がない場合には、「0」をマークしなさい。
1 税関長は、保税運送の承認をする場合においては、相当と認められる運送の期間を指定しなければならないこととされており、その指定後災害が生じたため必要があると認めるときは、その指定した期間を延長することができる。
2 特定委託輸出申告が行われ、税関長の輸出の許可を受けた貨物について、税関空港相互間を外国貨物のまま運送しようとするときは、保税運送の承認を受けることを要しない。
3 税関長は、保税運送の承認をする場合において必要があると認めるときは、税関職員に当該承認に係る貨物の検査をさせ、また、関税額に相当する担保を提供させることができる。
4  1年の範囲内で税関長が指定する期間内に発送される外国貨物の運送について一括して保税運送の承認を受けた者は、当該承認に係る外国貨物の運送に際しては、当該承認に係る期間を当該承認をした税関長が1月ごとに区分して指定した期間ごとに、当該期間内に発送された外国貨物に係る運送目録について一括して税関の確認を受けることができる。
5 保税運送の承認を受けて運送された外国貨物(輸出の許可を受けた貨物を除く。)が、その運送者の不注意により亡失し、当該承認の際に税関長が指定した運送の期間内に運送先に到着しないときは、当該貨物の所有者から、直ちにその関税を徴収することとされている。

 

3.次回の内容

「関税法 ⑦課税物件確定時期、適用法令、納税義務者」をマスターする!

 

4.参考動画