【条文順通関士講座】なんとなくライブ放送-2021年9月25日

1.今週の3問

【第1問】(第52回通関士試験 通関実務 第12問)

次の取引内容に係る輸入貨物の課税価格を計算し、その額をマークしなさい。
1 本邦の輸入者M(買手)は、A国の輸出者であり製造者でもあるX(売手)から継続してセーターを購入し、輸入している。今回、Mは、Xからセーター2,000枚を購入し、輸入する。

2 今回、MがXと締結したセーターに係る売買契約には、次の事項が規定されている。
イ 単価(CIF価格)・・・・・・・・・・・・・・・・1,500円/枚
ロ 購入(契約)数量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・2,000枚
ハ Mは当該セーターの値札を無償でXに提供し、XはA国において当該値札を当該セーターに取り付ける旨
ニ 当該セーターは、A国のX工場で生産された後にA国のYの倉庫で保管され、その保管に要する費用をMが負担する旨
ホ XからMへの当該セーターの引渡しは、Yの倉庫における保管後にCIF条件に従って行われる旨

3 Mは、前回Xから購入し、輸入したセーターに不良品が含まれていたことから、Xに対して当該不良品による損害に相当する額(150,000円)を求償した。その結果、Xは、今回Mが輸入するセーターの売買価格から当該損害に相当する額を控除した残額をMがXに支払うことで合意した。Mは、Xに対し、当該残額を支払った。

4 Mは、今回のセーターの輸入に関し、上記残額の支払いとは別に、次の費用を負担している。
イ A国のYの倉庫における当該セーターの保管に要した費用・・・・・・50,000円
ロ 当該セーターに取り付けられている値札の取得に要した費用・・・・・・5,000円
ハ 当該値札をXに提供するために要した送料・・・・・・・・・・・・・・1,000円
ニ Mが自己のために行う当該セーターの販売促進活動に要した費用・・・200,000円

5 MとXとの間には、特殊関係はない。

【第2問】(第35回通関士試験 通関実務 第1問 改題)

関税率が下表のとおり定められているAからEまでの貨物でWTO加盟国であるY国を原産地とするものが、Y国から特恵受益国であるZ国に輸出された後、何らの加工等がされず、そのままの状態でZ国を仕出国として我が国に輸入される場合において、それぞれの貨物について適用される関税率はどれか。

税率

基本税率 協定税率 特恵税率 暫定税率
貨物
5% 10%
5% 4% 無税
10% 5% 3%
20% 10% 3% 15%
5% 7%

【第3問】(第28回通関士試験 通関実務 第1問 改題)

正味の容量が1本当たり750mlでアルコール分が12%の瓶入りスパークリングワイン(協定税率適用国で生産されたもの)1,200本をCIF価格4,096,000円で輸入する場合に、納付すべき関税額、酒税額、消費税額、地方消費税額を下表の税率に基づいて計算しなさい。

関税率 (1)基本税率:1Lにつき201円60銭
(2)協定税率:1Lにつき182円
酒税率 1kl当たり90,000円
消費税率 7.8%
地方消費税率 2.2%(消費税額の22/78)

2.解答

【第1問】 3,056,000円

【第2問】 A:5%、B:4%、C:3%、D:10%、E:7%

【第3問】 関税額:163,800円、酒税額:81,000円、消費税額:338,500円、地方消費税額:95,400円