遺産分割協議書 |
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◇遺産分割協議◇ | |||
【1】「遺産分割協議」とは? 「太郎」さんが死亡し、妻である「花子」さんと、子どもである「一郎」さんが「太郎」さんの遺産を相続することになりました。 「太郎」さんの遺産は、マンション(3,000万円)、株券(2,000万円)、絵画(1,000万円)であり、相続人は「花子」さんと、「一郎」さん以外はいません。 「花子」さんと、「一郎」さんが、遺言書を探したのですが、どこにもなく、また、「太郎」さんが生前遺言書を作成した形跡もありませんでした。 そこで、「花子」さんと、「一郎」さんは民法を調べてみました。すると、そこには次のような記述がありました。 第900条(法定相続分) ………子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。… 「花子」さんと、「一郎」さんは、この規定に基づいて半分ずつ遺産を分けることにしました。 しかし、そこでさらなる疑問が…。どうやって分ければいいのだろうか…。 「花子」さん…マンション、「一郎」さん…株券+絵画 「一郎」さん…マンション、「花子」さん…株券+絵画 それとも…。 こういった場合に登場するのが、「遺産分割協議」という話し合いであり、その話し合いをまとめたものが、「遺産分割協議書」なのです。 【2】相続人の確定 遺産分割をし、「遺産分割協議書」を作成していく上で、まず確定しなければならないのは「相続人は誰か」ということです。 遺産分割協議は相続人全員でしなければなりません。1人でも協議に参加しなければ協議は無効となってしまいます。そこで、この「相続人が誰なのか」が不十分なまま遺産分割をしてしまうと、その後の相続人の登場により、遺産の分割がより面倒なものになってしまいます(たとえば、遺産分割後に隠し子が出てきたような場合)。 【3】相続財産の確定・評価 相続人が確定したら、次は相続財産を確定します。 相続財産の確定を怠った状態で遺産分割を行い、後に新たな財産や債務関係が発見された場合、遺産分割をやり直さなければならないことになるかもしれませ。 このような煩雑な手続を回避するため、きちんと相続財産を確定することが必要です。 【4】遺産分割協議
1.遺産分割の方法 そもそも遺言がない場合、また遺言書はあっても、そこに記載のない財産は、遺産分割協議が必要となります。 遺産分割協議では、相続人全員で、誰が、どの方法で、どの財産を取得するかについて協議し、財産を分けることになります。 2.遺産分割の種類 (1)現物分割(例:「花子」さんが「マンション」、「一郎」さんが「株券」と「絵画」) 遺産分割の方法としては一般的なものです。 しかし現物分割は、各相続人の相続分通りに分けることが困難であるため、相続人の間で調整が行われます(これを「代償分割」といいます)。 (例)「太郎」さんの財産が、「マンション」と「株券」だけだったときに、「花子」さんが「マンション」、「一郎」さんが「株券」を相続したときは、 「花子」さんから「一郎」さんへ差額分を支払う。 (2)換価分割 遺産を売却して金銭にしてから分ける方法です。この方法は、現物を分割してしまうと価値が低下する場合などに利用します。 (例)「太郎」さんの財産が、「絵画」だけだったときに、その「絵画」を半分に切って分けるのではなく、売ってお金にしてから分ける。 遺産分割協議はあくまで、相続人間での任意の話し合いです。民法によると、遺産分割は「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする」ということになっています。この基準に従って話し合いをしていきます。 なお、遺言により、分割方法の指定(例:「花子」さんに「マンション」、「一郎」さんに「株券」と「絵画」を相続させる)がされていたとしても、「遺言執行者」がいなければ、共同相続人全員の協議により指定と異なる分割(例:「一郎」さんが「マンション」、「花子」さんが「株券」と「絵画」をそれぞれ相続する)をすることも可能とされています。 【5】遺産分割の禁止 共同相続人は、いつでも、遺産分割協議をすることができますが、次のようなときにはできません。 (1)被相続人が、遺言で、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁じているとき (2)家庭裁判所が期間を定めて、遺産の分割を禁じたとき (3)共同相続人全員の協議により、5年を超えない期間を内を定めて、遺産の分割を禁じる特約をしたとき 【6】遺産分割の問題点 遺産分割については、いろいろな問題点がありますが、とくに次の点に注意しましょう。 ・相続人の行方、または、生死が不明であるとき ・胎児がいるとき ・未成年者の相続人がいるとき ・共同相続人の1人が分割前に自己の持分を第三者に譲渡したとき ・遺言により認知があったとき 【7】遺産分割協議(話し合い)で解決しないときは… 家庭裁判所に遺産分割の請求をすることができ、「調停分割」か「審判分割」により分割がされることになります。 【8】遺産分割協議は解除できるの? 原則はできません(最判平元.2.9)が、共同相続人全員による合意解除は可能(最判平2.9.27)とする判例があります。 |
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以上が大枠になりますが、これだけでは、なかなかわかりにくい点もあるかと思いますので、 ご不明な点やご質問がありましたら、お気軽に「ご相談」ください。 |
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